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Cute Movies

初恋のきた道

監督:チャン・イーモウ

世の中にはいろいろな映画がある。
そして、その魅力も様々だ。
「ストーリーがいい」「監督の演出が素晴らしい」「映像がおもしろい」「主役がいい」
いろいろである。
話は至って単純でも、主役一人の魅力でぶっちぎってしまう映画というのがある。
この映画がそれだ。

「あの子を探して」の監督チャン・イーモウが前作に続いて、
今回も中国の山村を舞台に、ひたむきな少女の姿を撮った。
前作と大きく違うのは、
主役の少女がすばらしく可愛くて魅力的だということだ。
チャン・ツィィーという女優さんで、小柄であっさりした顔立ちのとても可愛らしい美人である。
ちょこちょこした歩き方、照れた笑顔、全てがかわいい。
彼女は、街からきた新しい小学校の教師に一目惚れし、
ただひたすら、彼を想ってお弁当を作り、彼を見つめ、彼を待つ。
ストーリーは、何ら特別な感はないが、
「好き」という気持ちでいっぱいで、ただまっすぐに一生懸命な女の子がとにかくかわいい。

前作「あの子を探して」の時もそうだったけれど、
チャン・イーモウ監督の作品は、「過剰にドラマチックにすること」をどこか避けているように見える。
過酷な状況やそこにある悲しみをもっとクローズアップして、
話をもっとドラマチックにすることも出来そうなのに、それをしない。
主人公の気持ちに肉迫したり、その内面を突き詰めたりもしない。
人が人のことを(恋愛に限らず)ひたむきに想う姿を、
一定の距離を持ちながら、ただずっと見つめている感じだ。
わたしはその距離感が、なんだか好きだ。
そして、距離をおいて見ているはずなのに、
ひたむきな主人公たちの感情がパッとはじけた瞬間、
観ているこちらの気持ちもパッと揺れ動いてしまうから不思議である。

個人的には、前作の方がお気に入りだが、
恋する女の子たちにはきっと好かれる物語ではないだろうか。

text by...  RS

2001/01/30