香川でがんばっじょるけん
学生服リユースショップ さくらや 馬場社長 インタビュー
学生服リユースショップ さくらや
株式会社サンクラッド代表
馬場 加奈子 さん
香川でがんばっじょるけん !第1回
私たち「まいぷれ」が高松の地にしっかり足のついた活動をしていくにあたってのヒントをいただきたいとお願いしたのが、「学生服リユースショップ さくらや」馬場社長。お母さんとしての視点から地域に根ざすそのご活躍はご存知の方も多いと思います。今回、その馬場社長のもとにお話をうかがいにお邪魔しました。
訪ねたのは「さくらや」さん隣のカフェ兼ギャラリーといった感じの場所。カフェスペースには地域のみなさんのクラフト作品やイベント写真などが所狭しと並べられていて、中には本格的な家具なんかも。さっそくお話をうかがいましょう。
不便から始まる地域づきあい
実は私たち「まいぷれ高松」は、高松に住むみなさんの生活になくてはならない情報源、インフラになりたいと思っています。でもそんなに簡単にはいきませんよね。その点、「さくらや」さんのまわりには、たくさんのママさんやシニアの方々が集まっています。地域のネットワークができています。これはとてもうらやましいです。
――柱にされている事業は、学生服リサイクルのサービス。便利でお得、エコなところがお母さんのメリット。そこからスタートして、馬場社長はどんな風にして現在のネットワークをお作りになったんですか?
馬場:まずは普段のお客さんとの関わりあいの話からしましょうか。今日ここにいらっしゃって、うちは駐車場がわかりにくいって思ったでしょう?
――あ、そういえば場所も入り組んでいるし、車もどこに置いたらいいのか迷いました。でもなぜそれが?
馬場:ふつうはお店のホームページに駐車場の説明とか入れますよね。そうすれば最初からわかりやすくできるのはわかってます。でも実際、電話をもらって直接会話して説明することで「ああ、このお店は大丈夫」ってなる事も多々あります。私がお店から外に出て車を誘導したり、電話で「こうしましょうか」って相談したり。それが実は最初の「コミュニケーション」になるんです。ちょっとしたところが全部コミュニケーションのきっかけです。それがたくさん積み重なって、お母さんがたの「ありがとう」につながると思ってます。そんな考え方が「さくらや」の根底にはあって。だからちょっと不便でもいいかな。
――その発想は普通の企業ではなかなか出にくいですね。「ホームページの地図がわかりにくいなら直しなさい」って怒られちゃいます。
馬場:こんな小さな店だからこそ、せっかく来て下さるお客さんのために、小さな接点でも用意したいんです。「駐車場はこう」「場所わかりにくくてごめんね」「どこの中学校?」「男子のズボン、サイズ小さくなったのね」なんて。そうやっていろんなお話ができるようになるんです。
そんな風に、お話ししながら会員登録をおすすめするんですが、カウンターで話をしていて、この人!っていう人には「さくらやママパパサポート」っていうのに入会してもらうことがあります。学校ひとつにひとり、とかですが特別に協力してもらうんです。その方々からたくさんの情報が集まってくる。この学校の参観日はいつなのか、とか、修学旅行や宿泊学習が近い、という情報が入るとそこの体操服ありますよ、ってブログで流したりできますよね。
――不便を逆に利用して、はやくから打ち解けて街の情報を集めてらっしゃるのですね。簡単そうでなかなかできないことです。人とも、街とも、まずできるだけたくさんの事を知ることから始まるのですね。
交流×地域=世界が広がる
――こんな風にして日々活動されている「さくらや」さん。学生服の買い入れと販売窓口だけでなく、洗濯とかアイロンとか色々な仕事がありますよね?スタッフさんはどうされているのですか?
馬場:基本、専属のスタッフはひとりです。それと外部スタッフ、縫い子さんとかがファミリー的に集まってるんです。それと家具を作る人たちとか。
――そうそう、この家具!出来映えは玄人はだし。学生服のリユースの店に、なぜ家具の展示をしているのですか?
馬場:もともと作るのが好きな人たちなんですよ。ただ、販売するとしたらどうしたらいいかわからなくて。だから、ここにおいて売りましょう、って自然になったんです。
――本格的な家具づくりを趣味にしている人たちに、お披露目と販売の「場」を提供されているのですね。お店の手伝いをされている人たちも、皆さんが「さくらやネットワーク」のメンバーという訳ですね。単純に学生服のリサイクルをやれば便利でお得でしょ、だけではなくて、さまざまな人の「やりたいこと」「困っていること」「気づかなかったこと」をつないでいくような感じに見えます。いろんな人が集まって、お互いにできることを提供しあうような、そんな場所ですね。
馬場:少し前から「ピザ教室」もやりはじめましたよ。ここで。
他でよく開催されているピザ教室って、小学生とか年齢が決まっています。でもここのピザ教室は小さい子どもさんからお年寄り、障がいを持っている人も健常者もみんな一緒にピザを焼くんです。
――何を目指してこういうイベントを企画されたのですか?
馬場:何でかっていうと、まず最初は子どもたちみんなのコミュニケーション力を鍛えるためですね。小学生はお兄ちゃんたちと交流できる。お兄ちゃんたちは小学生と接することで肯定感を持つことができる。そこにハンディを抱えている子がいてもいい。養護学校にはいつもお誘いのお手紙を出しますよ。そうすることで地域に温かい人間関係が生まれるのって素晴らしいと思うんです。
――確かに、こういう体験ってなかなかないですね。子どもたちにはとてもいい経験になりそうです。それに障がいのある方やお年寄りから学ぶことはたくさんあって、それでここからまた新たな感性や、アイデアが生まれて次の活動につながる、情報収集のような感じですね。私たちだとなかなか実行までたどりつけないかなぁ。
馬場:こういう世界をもっと広げていけたらいいなと思っています。実は今でも障がいのある方や高齢者が参加するイベントって他にもいっぱいあります。歌を歌ったり。活動成果を発表したり。
でも子どもたちや普通の人たちと交流する場所は意外とないんですよ。 なんとかそれを作りたいと思っています。で、考えているのが障がい者が社会体験できるようなイベント。そして、障がい者や高齢者が先生になれるようなイベント。そんな場所づくりをしたい。自分たちが実際にこういうことをやって初めて、行政にも「こういうことをやっています」ということができる。行政に協力を求めることもできるようになる。実績作りが大切ですよ。小さいことからコツコツと積み重ねることです。
地域づくりのための、食堂づくり
馬場:じつはここで来年春から「こども食堂」を始めるんですよ。
――食堂、ですか?それはどんなきっかけからですか?
馬場:今の子供たち、「切れる」といわれることも多い子供たちを見ていると、昔あった高齢者とのかかわりが減っていることに気づきます。核家族ですからね。障がい者との関わりあいも少ない。その結果として、周りのいろんな人たちに対する「思いやり」の気持ちが減ってしまっているように感じているんです。
――高松ではない別の地域ですが、小学校の教諭の方にお話を聞いたことがあります。この数年で小学生たちもSNSで先生や親を介さずにネットワークを作れてしまう。今までは友だち同士の会話が聞こえてきたりして、ある程度周囲が察知できたのが今はできなくなった。そのあたりからずいぶん変わってきてしまったというのです。
馬場:それは実は親も同時にそうなんじゃないかな。女性に、お母さんに、働け働けっていいますが、実際に社会の基盤がついてきていない。学童保育なども全く足りない。そんな中で働いているお母さんたちは仕事から帰ると疲れてしまっている。親子のコミュニケーションが激減している環境にあると、子どもたちはお母さんに伝えたいことがあっても、伝えられませんよね。
――そんな中で、「こども食堂」はどんな役割を担うのですか?
馬場:「こども食堂」は、子どもたちにごはんを食べに来てもらいながら、話を聞くんです。相談、って言ってしまうと身構えるから、雑談。ご飯自体は、200円とか300円とかでおむすびと簡単な一品をつけて。ここなら、忙しいお母さんも構えずに任せてもらえる。
それで子供たちには疑問とか普段感じている事とかしゃべってもらう。子どもたちの後ろにはお母さんがいる。
店頭で実際にお母さんたちとお話していると出てくるんです。「地域でこんなことが起きているよ」「うちはこんなことで困っているの」・・・。学級崩壊や、子供たちがいじめを怖がるあまり学校では「目立たないようにひっそりしている」というような話もあります。いじめのターゲットになるのが怖いと。聞いていると、どうもとんでもない状況のところもあるみたいなんです。そんな中で、子どもたちはどんなところで不満やストレスを発散しているのか、どうしても気になってきたんです。だから、「こども食堂」をきっかけにして、お母さんの支援もできるようにしたいんです。
――「こども食堂」って、地域の子どもたちとお母さんをさまざまな面で支援していくためのアンテナになっていきそうですね。
馬場:お母さんの勉強会とかも考えられますけど、LINEについてとか、子育てのコツとか。でも現役のお母さんたちは今、子育て現場の最前線にいる人たちだからプライドだってあるはず。「うちはうちでちゃんとしてるよ」って。だから、「こども食堂」って、上から目線ではなくて子供からきっかけを作ってもらって、困っていることを見つけて、支援して、お互い勉強していければと思っているんです。
――馬場社長は、3人のお子さんを育てておられる現役のお母さんという、ご自身の目線から「さくらや」さんというお店を生み出されました。それと今回の「こども食堂」って、出発点は同じなんだなと感じます。
「子どもたちとお母さんが生きやすい地域をつくる」・・・その原点に人が集まって、新しいことが生まれてくる。そんな流れ、「まいぷれ高松」でも作っていきたいですね。
さくらやさんに「まいぷれ高松」のネットワークづくりを教わる
――最初に「まいぷれ高松」はみなさんの生活になくてはならない情報源になりたいと申し上げました。ただ単なる広告媒体、ではなく地域の色んな話題や情報が集まる、行き交う存在にしたい。
特に子育て、ペット、ハンディキャップを持っている人に向けた情報に力を入れています。もちろんボランティアでは成り立たないので、「ランチ特集」のような誰でも興味を持つコンテンツも大切にしているのです。
ただ実際、地域でのネットワークを広げるのはなかなか大変です。ずうずうしいお願いで本当に恐縮ですが、私たちにもできそうなこと、ご一緒に考えていただけませんか?
馬場:人を集めるのはホントに難しいですね。だからうちの場合、次は「子ども食堂」、っていうことになったんですね。ご飯を出すことで情報が行き交うんです。「さくらや」は情報基地で、情報を持っているお母さん、情報が欲しいお母さんが集まる。
「まいぷれ」だと「まいぷれママ」とかいるといいのかも。お母さんたちだって、自分たちの考えやアイデアを「認められる」ってやっぱり気持ちいいものですよ。
――そういえば確かに、cookpad.comとかはそういうところでビジネスとして成り立ってますね。最初どんなところにニーズが合うのかどうもよく分かりませんでした。
馬場:今も「まいぷれ」には、子育てのコーナーで公園を紹介したページもありますけど、そこで子供とお母さんたちが実際に遊んでみて、オススメの場所をみんなで登録して情報共有するマップなんかどうですか?誰しも自分の意見が載るとうれしいし、楽しそうなイベントなら「さくらや」にやってくるお母さんたちに紹介してもいいですよ。
――え?本当ですか!とてもありがたいです。そのためには私たちはもっと「まいぷれ高松」で役に立って楽しい企画を打ち出さないといけませんね。それにしても私たちの今までの企画、もう一歩踏み込みが足りなかったかな(反省)。
馬場:それから、「まいぷれ」に広告を出している飲食店さんが新しいメニューを出すとき、「まいぷれママ」の人たちに試食してもらうのもよさそうですよ。お店の人とじかに話したら、お母さんもお店に行きたくなるし、新しい関係が生まれると思いますよ。お店にとってもメリットが出てきます。
「まいぷれ」上でその様子を掲載してもいいというお母さんたちもいるはずです。そして次にはそのお母さんが別のお母さんを連れてくる。それを続けたら、だんだんお母さんたちが集まるようになるんじゃないですか?
――ありがとうございます!「まいぷれママ」を軸にした情報交換やお店への協力は、そんなに大きな規模にしなければすぐにでも出来そうです。それを地道に継続してネットワークを作り上げていくわけですね。
馬場:それに私たちのような規模でのやり方だけではなくて、「まいぷれ高松」さんは企業としての基礎があります。それはそれで「まいぷれ高松」さんにしかできないことがきっとあると思います。
――なるほどそんな風に教えていただいて、「まいぷれ高松」は、地域のどんな情報を集めるのか、どういう人たちにどういうお役立ちをするのか、自分たちならではの情報発信は何なのか、もっともっとはっきりとさせるべきということに気づかせていただきました。そして地域の皆さんの住みやすさに貢献できるような活動をやっていきたいと思います。
今回は本当にありがとうございました。
また色々とご相談させてください。
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