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技連協活動レポート

「技能職者に学ぶ」職種別講義(生田中、有馬中)

技連協が17職種、78人の技能職者を講師に派遣

大工職

指導を受けながら懸命に釘を打つ生田中生徒。
指導を受けながら懸命に釘を打つ生田中生徒。
(4)「大工職」の教室はいずれも木工室で行なわれ生田中15人、有馬中20人の男女生徒が参加しました。講義では、まず建築に関わる全般のことが紹介され、大工職のほかに建築士、とび職、屋根工事、左官工事、内装・建具工事、建設会社、工務店など、いかに多くの職種や業種が絡んでいるかが説明されました。その中で大工職の仕事が近代化した現代建築に沿って、どのように変化しているのか分かりやすく教えました。
講師から釘など材料の説明を受ける有馬中生徒。<br>
講師から釘など材料の説明を受ける有馬中生徒。
実技ではカンナ掛けと椅子の製作に取り組みました。初めて道具を使う生徒も多く、特に女子は講師の叱咤激励の指導を受けながらも、「楽しいです」(生田中)と言いながら懸命に板を削ったり、椅子に釘を打っていました。完成した椅子は両校とも、閉会式で生徒代表から各校長先生にプレゼントされました。
皆んな作業に熱中(生田中)
皆んな作業に熱中(生田中)
「う~ん、よくできましたね」と講師もうれしそう(有馬中)。
「う~ん、よくできましたね」と講師もうれしそう(有馬中)。

造園工

「四つ目垣」の竹の結び方をマンツーマンで教えてもらう有馬中生徒。
「四つ目垣」の竹の結び方をマンツーマンで教えてもらう有馬中生徒。
(5)「造園工」の教室では、生田中男子生徒10人、有馬中では女子1人を含む17人の生徒が参加しました。まず植木職とも言われる造園工について、仕事の内容が詳しく紹介されました。そのあと、造園工になるためには具体的にどうしたらいいのか、インターネットの職業選びのホームページに紹介された植木職の人たちの事例を参考にしながら説明がありました。
生田中でも、「四つ目垣」作りの実習。
生田中でも、「四つ目垣」作りの実習。
学校の庭園や公園などの樹木を相手にする造園工や植木職の仕事は身近に感じるのか、受講した生徒たちの理解も得やすいようでした。実技では「四つ目垣」の竹と竹をシュロ縄で結ぶ作業を体験しました。有馬中では講義の後、「一人前になるには何年かかりますか」という生徒の問いに、講師の一人は「私たちもまだ勉強中」と答え、奥の深い仕事であることを示唆していました。

電気設備工事職

「おーい、うまくできたかい」と友だちの作業具合を覗き込む生田中生徒。
「おーい、うまくできたかい」と友だちの作業具合を覗き込む生田中生徒。
(6)「電気設備工事職」(電気技能士)の教室では、生田中14人、有馬中19人の男子生徒が参加しました。電気技能士の仕事が具体的に紹介され、電気の知識や電気設備工事の基本的なことを学びました。国家試験のことも紹介されました。実技では延長コードの製作を体験しました。
有馬中の生徒たちも、うまく作業が進んでいるようです。<br>
有馬中の生徒たちも、うまく作業が進んでいるようです。
参加した生徒は慣れない手つきで電線の被膜を剥ぐワイヤスピッパーを使う作業やドライバー、ニッパを使って、コードの先に延長用のチップを取り付ける実技に取り組んでいました。生徒たちは「初めてで難しい」と言いながら圧着ペンチなどを使っていましたが、中には器用に作業をこなす生徒もおり、「さすが男の子」と早くも電気技能士予備軍誕生とひそかに喜ぶ講師もいたようです。

塗装技能士

(7)「塗装技能士」の教室は、生田中12人、有馬中17人の男女生徒が参加しました。実際にペンキを塗る実技があるため、両中学とも広々とした体育館の一角にシートを敷き、その上に作業机を配置して行われました。参加した生徒たちは全員、白い作業服に身を包み塗料で汚れても平気なように“完全武装”で取り組みました。
白い作業服を着て懸命にペンキを塗る有馬中生徒。<br>
白い作業服を着て懸命にペンキを塗る有馬中生徒。
まず講義で塗装技能士の仕事内容を聞いた後、早々とペンキ塗りに挑戦しました。実技は30センチ角大の格子状の木製板に、各自好みの色のペンキを塗っていく作業です。ペンキ塗りは初めてという生田中の女子生徒は「こういう仕事があるのを知って面白い」と、塗料まみれになりながら初体験を楽しんでいました。職業選択も動機づけが大事かなと感じさせる場面でした。
塗りあがった作品に最後の仕上げをする生田中生徒。
塗りあがった作品に最後の仕上げをする生田中生徒。

鍼灸マッサージ師

講師からツボの押し方などを学ぶ生田中生徒。
講師からツボの押し方などを学ぶ生田中生徒。
(8)「鍼灸マッサージ職」の教室では、生田中は15人の男子生徒、有馬中は20人の男女生徒が参加しました。まず講義で鍼灸(しんきゅう)師、マッサージ師という仕事の内容について紹介がありました。正式には「はり師」「きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」という3つの国家試験に分かれ、この国家試験を受けるには高校卒業後、国が指定する大学、短大、専門学校のいずれかで3年間知識・技能を学ぶことが必要ということ、また資格取得後はすぐに独立できるが多くの人は治療院などに勤務して腕を磨くといったような具体的な職業情報が用意したテキストをもとに説明されました。
「鍼はこうして押すんです」と講師から教わる有馬中生徒。<br>
「鍼はこうして押すんです」と講師から教わる有馬中生徒。
人体図を参考に経穴(ツボ)などの解説を聞いた後、2人ペアになってツボを押す鍼(はり)の打ち方やマッサージなどの実技を体験しました。有馬中の1生徒は「細い針も怖くありません。自分でも肩がこるし将来仕事としてやってみたい」と、この職種に興味を示していました。

美容業

はさみの使い方を学ぶ生田中生徒。
はさみの使い方を学ぶ生田中生徒。
(9)「美容業」(美容師)の教室では、生田中は13人の男女生徒、有馬中は19人の女子生徒が参加しました。まずDVDを使って美容師の仕事が紹介されました。「美容師になるには」など、分かりやすいイラスト入りのレジメも配布されました。講師の1人は「美容師は人を幸せにする仕事」と生徒たちにアピールしていました。実技では、はさみ、くし、ドライヤーなど美容道具の種類、持ち方、使い方を体験しました。
講師の櫛さばきを見ながらドライヤーを扱う有馬中生徒。
講師の櫛さばきを見ながらドライヤーを扱う有馬中生徒。
またウイッグ(マネキン)を使用してのカット体験とロット巻き、スタイリングの仕方なども学びました。参加した男女生徒(有馬中は女子のみ)は実際にはさみやくしを使って、ヘアカットに挑戦していました。講師によると、かつて職業選択は美容師志望が一位でしたが、いまはパティシエ(菓子職人)に抜かれてしまったということです。
「わぁ、ちょっと難しいな」
「わぁ、ちょっと難しいな」

表具・インテリア職

表具経師の仕事について説明(生田中)
表具経師の仕事について説明(生田中)
(10)「表具・インテリア職」(表具経師)の教室では生田中9人、有馬中15人の男女生徒が参加しました。最初に表具経師の仕事やインテリアの仕事内容が紹介され、そのあと、ベニヤ板に和紙を貼り、紐を通して壁掛けを作る実習が行なわれました。表具経師という言葉自体、生徒たちにはなじみが薄く、ほとんどが初めてのようでした。
作品作りの手本を示す講師(有馬中)
作品作りの手本を示す講師(有馬中)
それでも、インテリアに関する仕事ということで、講師の説明に耳を傾け、熱心に実技の指導を受けていました。今の時代の子どもたちにとって町中で「表具経師」の看板を掲げた店を見ることはあまりないでしょうが、今日の授業を通じ表具経師の職業内容をしっかりと理解したようです。生田中の1生徒は「普段はできないことが体験できたので楽しかった」と感想をもらしていました。