地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、川崎市高津区の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

川崎市高津区の地域情報サイト「まいぷれ」

技連協活動レポート

「技能職者に学ぶ」職種別講義(生田中、有馬中)

技連協が17職種、78人の技能職者を講師に派遣

理容師

ビデオを見ながら理容競技会の説明を聞く生田中生徒。
ビデオを見ながら理容競技会の説明を聞く生田中生徒。
(11)「理容業」(理容師)の教室には生田中で女子生徒12人、有馬中では16人の男女生徒が参加しました。講義では実際の理容師が登場する動画やパワーポイントを使用して作成したデータもとに理容師(理容業)の仕事とは、また理容師になるためにはどうしたらよいかなど基礎的なことが分かりやすく紹介されました。
有馬中では生徒がモデルになってヘアスタイルを学びました。
有馬中では生徒がモデルになってヘアスタイルを学びました。
実技では、はさみ・くしなどの道具の種類や持ち方、使い方の体験をする一方、ウイッグ(マネキン)を使用しカットの体験やネイル磨き、ストレートアイロンを使ったスタイリングの仕方などが行なわれました。生田中の1生徒は「将来、理美容の仕事に就きたい」と、この職種に夢を託していました。

和服裁縫職

細い針の使い方などを学ぶ生田中生徒。
細い針の使い方などを学ぶ生田中生徒。
(12)「和服裁縫職」(和裁士)の教室では生田中9人、有馬中10人の女子生徒が参加し、和裁師の仕事内容が紹介されました。女長着名称完成図をもとに鯨尺(寸法)についての説明がありました。講師によると、旧尺貫法の鯨尺は和裁の仕事ではまだ健在で、その使い方を知ることが大事と生徒に教えていました。
小物づくりで運針の大事さを学ぶ有馬中生徒。
小物づくりで運針の大事さを学ぶ有馬中生徒。
実技指導では、針の持ち方や縫い方など和裁の基礎技術である運針と和布を使った小物づくりを体験。家庭用と職業用の縫い針は異なり、業務用は一般に使う針よりも細いということで、「家ではしたことがありません。初めてです」(生田中の生徒)と、日常ほとんど針など使わない生徒たちは一層慣れない手つきで挑戦していました。講師は海外縫製品と日本の縫製品の差についても説明し、日本の縫製技術の素晴らしさを説明していました。

自動車整備士

講師から整備士の仕事と資格試験の説明を受ける生田中生徒。
講師から整備士の仕事と資格試験の説明を受ける生田中生徒。
(13)「自動車整備職」(自動車整備士)の教室では生田中男子生徒12人、有馬中では女子生徒3人を含む21人の生徒が参加しました。講義では自動車の歴史、自動車の構造、自動車整備士の資格取得(国家試験)などについて詳しく説明されました。また自動車整備工場での仕事についても具体的に紹介されました。
実技では電気回路模型(テスター)を使用して故障診断の仕方などが紹介され、受講した生徒たちは整備士の気分をちょっぴり味わったようです。自動車産業は電気自動車や燃料電池車、ハイブリッドカーなど急速な技術革新の時代を迎えており、講義を聴きながらこの職種に向ける生徒たちの熱い視線を感じました。

洋裁職(川崎洋装組合・5名)

講師からアイロン掛けを学ぶ生田中生徒。
講師からアイロン掛けを学ぶ生田中生徒。
(14)「洋裁職」(洋裁師)の講義は被服室で行なわれ、生田中8人、有馬中15人の女子生徒が受講しました。洋裁師の仕事が紹介された後、もともと実習用の教室でミシンなどの道具は揃っているので、すぐ実習が始まりました。ミシンがけの基本操作とアイロン掛けを中心に実習したほか、ミシンを使っての巾着袋作成、手縫いによるボタン付け、裾(すそ)のまつり方などを体験しました。
ボタン付けなどを学ぶ有馬中生徒。<br>
ボタン付けなどを学ぶ有馬中生徒。
最近は洋裁を習う若い人が減ってきて、こうした学校の実習でも希望する生徒が少ないということですが、「きょうは両校ともまだ1年生なのに、なかなか素質のある生徒さんが多く、将来が楽しみ」と、マンツーマンで指導する講師の1人は喜んでいました。

広告美術職

カッティングシートを使って図案づくりを学ぶ有馬中生徒。
カッティングシートを使って図案づくりを学ぶ有馬中生徒。
(15)「広告美術職」の教室は、生田中が女子生徒9人、有馬中は男子生徒4人に対し女子が10人と、両校とも女子生徒の参加が目立ちました。女性に人気の高い職種を象徴しているようでした。講義で講師から広告美術職の仕事や業界の説明を聞いた後、広告看板などに使うカッティングシート(薄い塩ビ製のカラーシート)を使っての図案作りの実技に移りました。
シートの裏面に糊が付いており、一般的には表面に文字やマーク、ロゴなどが描かれ、これをカットして用紙に貼って看板やポスターなどを制作していきます。
きょうはウサギの絵柄をシートから切り離して、ピンセットで台紙に貼り付けていくデザインワークを体験しました。細かい作業で生徒たちは苦戦していましたが、一人ひとり講師から手に取るように指導を受けながら進めていました。色の組み合わせなど、広告美術に必要な知識も習いました。また大きな看板を描く時は、まず机上で碁盤目状の図面に縮小画を描き、現場でそれを均等拡大する要領で描いていく手法をウサギの絵を手本に学びました。

生花職

季節の花をアレンジする生田中生徒。
季節の花をアレンジする生田中生徒。
(16)「生花職」の教室では、生田中8人、有馬中15人の女子生徒が参加しました。かわさきマイスターのフラワー装飾技能士・都倉正明さんから、生花職の仕事について講義を受けた後、季節の花を飾ったミニ・フラワーアレンジメント(生け花)に挑戦しました。皆んな「花を生けるのは初めて」(生田中生徒)のようで、「花を上手にうえる方法を教えてください」(有馬中生徒)と、都倉さんから具体的なポイントを聞きながら、懸命に挿していました。
都倉さんは「まず花の名前を覚える」ことと「自分で考え、思うがままに作っていく」自由な発想を指導の重点に置いていました。実技では都倉さんの娘で同じくフラワー装飾技能士の資格を持つ都倉八重子さんも指導に当たりました。将来、花屋になりたいという具体的な生徒の声は聞けませんでしたが、花をいつくしむ生徒たちの優しい心が伝わってきました。終わって「見た目は簡単そうだったが、実際にやってみるとすごいと分かりました」(有馬中生徒)、「形を整えるのが難しかったが、生花職に興味を持つことができました」(有馬中生徒)との感想が聞かれました。
授業が終わって、かわさきマイスターの都倉さんから説明を受ける有馬中生徒。
授業が終わって、かわさきマイスターの都倉さんから説明を受ける有馬中生徒。

タイル築炉技能職(有馬中のみ)

一人ひとり実際にタイルを貼って、講師から細かい指導を受けました。
一人ひとり実際にタイルを貼って、講師から細かい指導を受けました。
(17)「タイル築炉技能職」の教室は有馬中の男女生徒19人が参加しました。講義ではタイルの歴史、これからのタイルはこうなるといった基礎的な知識が教えられました。実技では一般タイルの貼り方、モザイクアートタイル貼りなどの説明が行われた後、生徒一人ひとりが用意された3枚の大きな壁面板に実際に外壁タイルやフロのタイルなどを貼り付けていきました。
「うまくできたかしら」と、恐るおそる講師に尋ねる女子生徒。
「うまくできたかしら」と、恐るおそる講師に尋ねる女子生徒。
体験学習を終えた1女生徒は「タイルは大好きです」と答え、またほかの生徒からも「日本で一番大きなタイルはどんなものですか」「特殊なタイルはありますか」「タイル工になるには、どんな資格が必要ですか」などといった活発な質問が相次ぎ、この職種への関心の高さを示しているようでした。